霊と対面!?
京都の北の方にある寺の春は街より遅い。
京都のしだれ桜が見ごろになったと聞いてからしばらくして、お寺の桜の花が満開になった。
圭くんがお寺から卒業したのは、そんな春の日だった。
親と一緒に最後の挨拶に圭くんが来た。
親の隣にいる圭くんは、もう「お寺を出たくない」と悔しそうな顔をした彼ではなかった。
素直な笑顔が、彼を幼く見せた。
背中を見送ると、桜の花びらが風にあおられて舞う。
風景が一瞬で桜色に染まるほど・・・
桜の花びらが、「風」の姿を見せたようで、メイはそのほんの“一瞬”に心打たれた。
心打たれて、その時間がものすごく長く、スローモーションで流れていくように感じていた。
桜の美しさってこの散る“とき”なのか。
満開の桜が好きだったメイは、自分の変化にフフっと笑った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
お寺の門を出て、
山内の街灯がない道を歩くいつもの帰り道、
総門の陰に、
ふらっと細長い人の形のような黒い影が揺れた。
(で、で、でたー)
お寺ということもあり、
いつかこの日が来るのではないかと思っていたが、、、
ついに幽霊と対面か?
メイは霊感がないようで、今までの対面経験はゼロ。
恐怖というか驚怖(きょうふ)で固まるメイの方に
その黒い影が、、、
すーっと近づいてくる。
ぜ・絶対絶命
身体が動かない。。。
・・・
「メイさん」
ゆ、幽霊が話した!?
しかも、メイの名前を知っている・・・
(つづく)
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