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茶筅で「の」の字を書くのもなし?

京都の宗匠の稽古場では、

毎週、内弟子先生が交替で代稽古をつけてくださる。

一番厳しいといわれてた先生が当番の日が、メイは一番うれしかった。

(この先生になら、なんでも聞ける)

そう思わせてくれる言葉を、必ずこの先生は選んでくれる。

茶筅通しのことを、

「茶筅とうじ」と言われた。

「湯治」の音を連想させる。

竹の茶筅を湯に通すことで、

穂先がやわらかくなり、茶を点てる準備となる。

その一言を聞いたら、

自分がまるで温泉につかっているかのように、

ほ~っっと、茶筅が温まり、柔らかくなっていくのを感じることができた。

その茶筅をお茶碗から上げる時に、

静岡の先生ならこう言う。

「はい、「の」の字を書いて、真ん中からあげる」

・・・・

そう言われると、メイは一生懸命、の と茶筅で茶碗の中に書き、

真中から、真ん中から、と上げる。

・・・

でも、ここでは、先生は、

――茶筅を振った湯を、ゆっくり大きく(茶筅を)茶碗全体で回すことで、湯を静めます

と言うのだ。

びっくりした。

そうだ、そうだったんだ、の の字を書くんじゃなくって、

湯面を整えていたんだ!

ガーン

そして、「真中から引き上げる」というかわりに、

茶碗の縁に茶筅がつかないように、湯の中央から上げるとよい

という言い方をされた。

(茶をたてた時など特に茶が茶碗の縁についてしまうこともあり)

そう、ここなんだよ、

真中から上げるのが重要と云う事ではなく、

茶碗につかないところというと、中央が一番合理的なんだ!

たぶん、先生は、自分の心に従って言葉を紡いでいるだけなのだと思うのだが、

それがメイには感激だった。

言葉の表面しかとれないメイにとっては、

の の字よりも、

湯面を静めるというのは、

まさに茶の湯をしているという意識が保てたのだ。

もし、もし、メイが将来(ないかな)

お茶の心を誰かに伝える時がきたら、

言葉を選ぼう、

の の字禁止令を自分にしいた。

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